覚GUI


パソコンを操作する上でGUI(Graphical User Interface)は多くの利点をユーザに提供します.ユーザはマウスを使いパソコンを直接的に操作することができます.しかし,このようなGUI環境は視覚障害者にとって便利な環境とはいえません.そこで,画面情報を凹凸として表示し,触角を用いて情報を受け取ることが可能な触覚ディスプレイが開発されてきました.しかし,従来の触覚ディスプレイは主に情報表示機能に限られており,入力装置としての機能は十分ではありません.そこで本研究ではクリック,スクロール,描画などの入力機能を付加することにより触角を用いたGUIを実現する装置の開発を目的としています.さらに,これを用いたアプリケーションとして触地図アプリケーションの開発にも取り組んでいます.

触覚GUI

movie触覚ディスプレイによるGUIアプリケーション操作(動画 約2.6MB)

movie触覚ディスプレイによるWebブラウジング(動画 約5.0MB)

触覚GUIシステム

本触覚GUIシステムは触覚提示部と触覚入力部から構成されています.情報提示部はパソコン上の表示情報をピンにより提示します.触覚入力部はアイコン操作などを触入力で行えるようなマウスに相当する機能を実現するものです.

触覚提示部は32×48の1536本の小さなピンにより構成されており,このピンを上下させることにより凹凸を作り出し,画面情報を表示させます.

触覚入力部は,提示部に加えられた力を6軸力センサにより計測することで実現しています.触覚提示部のピンのピッチ2.4mmに対して,垂直方向力では十分な入力精度を有しています.現在,高価な6軸力センサを用いない新しい力検出機構の開発およびPCとのインタフェース部の改良を行っています.

触覚神経インターフェース

movie画面情報提示(動画 約6.6MB)

movie触覚ディスプレイへの入力(動画 約26.5MB)

movie触覚ディスプレイへの入力 その2(動画 約4.1MB)

触地図アプリケーション

視覚障害者用に開発された地図のことを触地図といいます.触地図は地図の点や線の部分が点字のように隆起しており,触ることで地図を認識できるようになっています.触地図には音声情報が付加されたものも開発されており,視覚障害者にとって使いやすいよう改良が施されています.しかし,従来の触地図には地図が大きく携帯に不便であり汎用性が無いという問題点があります.

そこで本研究では触覚GUIシステムを用いて触地図を提供するアプリケーションの開発を目的とします.現在,触覚GUIシステムに適した地図情報提示方法の検討や入力インターフェースの検討などを行っています.

movie触地図アプリケーション(動画 約5.2MB)