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触覚神経インタフェース

Last-modified: 2013-07-30 (火) 15:00:00

触覚神経インタフェース

医用工学の分野では生体の神経系と外部機器を直接接続する技術が注目されています。 本研究では遠隔操作されたロボットハンド指先部触覚センサの出力をインターネット経由で 操作者の触覚神経系に入力し,操作者の触感覚を刺激するシステムを世界ではじめて成功しました。 これにより,操作者は遠隔地にあるロボットハンドの接触情報を,触感覚として感じることが可能です。 なお,本研究は次世代義手の開発として行われました。

触覚神経インタフェース概念図

本研究は,東京大学満渕研究室が主導し,石川研究室(東大)と共に研究を行ったものです。 この中で我々は主に触覚センサとロボットハンドシステムについて開発を行いました。

触覚神経インタフェース

操作者の手指の動きをサイバーグローブにより計測し, インターネット経由で4本指ロボットハンドを制御します。 ハンドの各指には触覚センサが装着され,把持物体との接触状態を画面上に示しています。 実際の実験では,操作者は駒場(東大),ロボットハンドは本郷(東大)にあり, 両者間をインターネットで接続しています。 操作者への触覚情報のフェードバックは,腕にある(求心性)触覚神経に微小電極を挿入し, 触覚センサ出力に応じたパルス頻度を出力することで,操作者への触感覚を与えています。

触覚神経インタフェース実験図

図の左側が操作者です。サイバーグローブを装着して遠隔地にあるロボットハンドを操作します。 操作者の感じる触覚強度は,操作者の足元にあるべダルで申告を行います。 図の右側がロボットハンドです。操作者の手指動作に応じてロボットハンドの4指が動作します。 各指には触覚センサが実装してあり,接触強度情報をインターネット経由で操作者へ送ります。

触覚神経インタフェース実験データ図

実験結果を示します。図上が触覚センサ出力,図中sが触覚神経刺激パルス, 図下が操作者の触感覚申告量です。人間の感覚量は,対数となりますので, 触覚センサでの接触情報が,操作者の触感覚量として上手く伝達されたものと思えます。